ついに映画「ギヴン 海へ」をみてきました。
以下、大興奮の筆者が勢いに任せて書いたネタバレ感想となります。
ネタバレNGの方はご注意ください!
【ネタバレ】ストーリーまとめ
感想に入る前に、簡単にストーリーを振り返ります。
真冬の幼馴染である柊&玄純のバンド「syh」にサポートギターとして加入することになった立夏。
彼らからの頼みは「サポートギターを務めること」そして「由紀の作りかけの曲を完成させること」でした。
恋人の元カレの曲を完成させることに対し、気が進まない部分はありつつも、立夏は何とか曲を完成させます。
そして、「ギヴン」にもメジャーデビューへの誘いがかかりますが、真冬だけはどうしても前向きになれないようで...
(ここまでが柊MIX)
ついに「syh」のデビューライブが迫ってきます。
立夏は真冬をライブに誘いますが、真冬は音楽を拒むような様子で...
音楽と恋愛のどちらかを選ぶことなんてできない立夏は、ステージの上から音楽をぶつけるという、自分なりの方法で真冬と向き合うことを決意。
一方の真冬は、立夏や周りの友人が進路を決めて前に進んでいることに対し、自分だけが置いて行かれるような焦りを感じています。
それだけではなく、立夏が「syh」のサポートをすること、自分だけが取り残された疎外感から、どうしても由紀を失った時のことを思い出してしまうのです。
真冬にとっては由紀と永遠に別れるきっかけとなった「音楽」に向き合うことで、立夏とも別れが訪れるのではないかという不安がありました。
ライブ当日になっても踏ん切りがつかない真冬。
そんな真冬がたまたま会ったのは、偶然帰国していた雨月でした。
雨月に背中を押され、真冬は何とかライブ会場に到着します。
そして、syhの新曲であり、由紀のデモをもとに立夏が完成させた曲である「海へ」を聴くことに。
「海へ」を聴いた真冬は、「曲の中に由紀がいること」に気が付きます。
もう会えないと思っていた由紀に音楽の中でまた会うことができた真冬は、やがて自分が恐れている別れが訪れるのだとしても「音楽の中には残り続ける」のだと気が付くのです。
そして、大切なことを伝えてくれた立夏への恋心を改めて自覚します。
真冬は「立夏と一緒に音楽をやっていきたい」と願うように。
その後ギヴンは無事にメジャーデビューを果たします。
そして、この幸せがいつまで続くのかは分からないけれども、それでも今を大切にしようとする真冬が描かれて本作は幕を閉じます。
感想
「ギヴン」という作品の集大成として、あまりにも素晴らしい映画でした...
取り上げたいことがたくさんあるので、項目ごとに分けてお話ししていきます。
ストーリー構成
ギヴンのストーリーはざっくりと、
「高校生組編→大人組編→柊MIX→最終章(映画 海へ)」という流れになっていますね。
今回映画をみて、あらためて主人公である真冬を中心としたストーリー構成が完璧な作品だと感じました。
「高校生組編」では、真冬の音楽との出会いとギヴンの結成が描かれていました。
音楽を通して、由紀が亡くなってから止まっていた真冬の時間が動き出します。
「大人組編」では大人組の恋愛模様と共に、天才同士である真冬と雨月の出会いも描かれています。
真冬が彼らの姿を見て紡いだ音楽は、止まっていた大人組の関係も動かすのでした。
特に雨月は、真冬の歌に大きく支えられていましたね。
「柊MIX」では、柊と玄純の恋愛がメインで描かれました。
柊は「由紀のデモをもとに立夏が作った曲」を聴いて、玄純へ告白することを決意しました。
柊・玄純はお互いに全てをささげることで「音楽と恋愛を両立して生きること」を選んでいます。 (立夏・真冬との対比)
また、立夏がsyhのサポートを務めることで、真冬の奥底にある「音楽に向き合うことへの不安や迷い」が徐々に姿を現します。
そして「最終章(海へ)」では、音楽を拒絶して立ち止まってしまう真冬を、これまで真冬が関わってきた人々が見守り、背中を押してくれるのです。
極めつけは立夏の作った「海へ」です。
失ったはずの由紀を歌の中に見つけた真冬は、自分の恐れている別れが訪れたとしても「音楽の中には残り続ける」のだと理解します。
そして、音楽をやりたいという思いと、立夏が好きだという気持ちに改めて向き合った真冬は、ギヴンで音楽を続けていくことを決意したのでした。
こうやって振り返ってみると分かりますが、
全てのエピソードが「真冬が音楽で生きることを選ぶ」ために必要なんですよ。
そして、真冬の恋愛の在り方についても温かく、感動的に描かれていました。
真冬の内側にはいつまでも由紀がいて、そんな真冬を包み込んで一緒に歩んでくれるのが立夏なのだと思います。
恐ろしいほど完璧な構成なので、私は映画館で震えてしまいましたよ…
「あぁ、ギヴン綺麗に終わったなぁ...」なんて思ってたら、主題歌である「結言」が流れるんですよ…
最後に情緒ぐっちゃぐちゃにされちまったよ!!!
「結言」については別の項目で詳しく触れます。
ライブシーン
やはり映画館で見るライブシーンは格別でした。
マシンガンに打たれたようにドラムの音に痺れる感覚や、CD音源よりもよく聴こえるコーラスに圧倒される感じとか...
「全身で音楽を聴いている」という感覚があるんです。
よくバンドのライブに足を運ぶ方なら共感していただけると思いますが、「The ライブ」なんですよ…
ライブ中の真冬のモノローグの入れ方も完璧でした。
一番ブチ上がるタイミングで音楽に戻ってくるのだよこれが...
そして、柊の「いつもの」は格好良すぎるし、まさか最後に「冬のはなし」が聴けるとは思わないしなぁ...
絶対映画館で聞いた方が良い。悪いことは言わぬ。
主題歌、挿入歌
パンフレットを見て知ったのですが、「結言」はセンチミリメンタルのインディーズ時代からある曲なんですね。
あまりにも主題歌としてピッタリなもんですから、てっきり書き下ろした曲だとばかり!!
大切な曲を提供してくださった温詞さんに心から感謝を…
人を好きになると、結ばれる喜びや愛しさと同時に、やがて訪れる別れを覚悟して、どうしようもなく寂しくなるのでしょう。
でも、自分の思いや愛しい人のことを「音楽」にすれば、それをいつまでも残しておけると。
だからこの曲は、
死ぬときのメッセージ=遺言でもあり、
この歌で結ばれていれば大丈夫という”これから幸せになる人”を後押しする言葉=結言
でもあるんだろうな...
由紀の思いともとれるし、ギヴンというお話全体を通したメッセージのようにも感じます。
挿入歌の「海へ」に関してですが、私は配信された音源を聴いてから映画館に行きました!
この曲に関しては、未完成の曲の中にいた由紀を真冬にかえすという、「立夏から真冬への贈り物」です。
話し始めると長くなりそうなので、曲の解釈については後日別の記事で書きます。
追記:書きました。↓
映画オリジナル、注目ポイント
私が発見した「原作と違う点」「注目ポイント」について簡単にメモしておきます。
見過ごしや勘違いがあったら申し訳ありません...!
- 原作9巻ラストに収録されていた小話が、本編に組み込まれている
- 雨月のピアス、マグカップ
- 冬のはなしwith立夏
- オレンジと白のマーガレットが生けられた花びん
- 壁に立てかけていたギターがギタースタンドへ
- 卒業式後のデートシーン
おわりに
長々と語ってしまいましたが、結局言いたいのは「ギヴン最高」ということです。
もしこの記事を読んで下さった方で、まだ見てないという方は、ぜひともご自身の目で見届けることをオススメします!!
映画館で見るのはやはり格別ですので...!
ギヴン無印としてはこの映画で完結ということですが、現在連載中の10th mixの方もアニメ化してくれないかなーとひそかに祈っています...!
みんなが映画を見に行って「ギヴン大好き!」と声を上げ続ければ、OVA化も夢じゃないかも...??
それでは、ここまでご覧いただきありがとうございました!
関連記事