こんにちは、メブコです。
この記事では、
史セツキ先生の「日本の月はまるく見える」という漫画をご紹介します。
本作は「大好きなBL漫画を描くため中国からはるばる来日した主人公が、文化の違いに悩みつつも自分の好きなことを表現できる喜びを感じていく」といったお話です。
以下、あらすじや見所をご紹介していきます。
簡単なあらすじ
主人公・無言は、BL漫画が大好きな中国の漫画家。
母国ではBL漫画が規制されており、思うように表現ができないことに悶々としていたところ、日本の出版社から「うちで連載をしないか」との連絡が...
自分の好きなことを表現するため、無言は海を渡り、文化も慣習も違う異国の地へと向かうのでした。
「中国のBL規制について詳しく知りたい」という方は、こちらの書籍がおすすめです。
規制はどの程度厳しいのか、中華BLはどのような対策を取って生き延びているのか...など中国のBL規制について網羅的に書かれています。
日本では2020年頃から中華BLが流行り始めたと思うのですが、当時はこのような書籍がなかったので、中国のBL規制の実情を知るのは大変だったんですよ…
私は論文を漁ってみたり、有識者の有料noteや同人誌なんかを購入したりして、必死に情報を集めていました...笑
ちなみにタイトルの意味ですが、
中国の「外国の月が丸い」という言葉がもとになっているようです。
自国よりも他国の方が優れていると思う人を揶揄する言葉とのこと。
本作を一言で表したようなタイトルですよね。
見所
中国の文化を学べる
本作では、中国の文化についても学ぶことができるのですよ。
例えば、第1話にて描かれている「相親角」。
いわゆる「親が行う代理婚活・お見合い」ですね。
子供の結婚を急ぐ親が、自分の子供についての情報交換をする場所のことです。
「WeChat(微信)」という中国のSNSについてのお話なんかもあり、気軽に中国文化を学ぶことができるという意味でもオススメの作品です。
日本人との「感覚の違い」が描かれている
私的には、本作で描かれている「日本人との感覚の違い」が非常に興味深いと感じています。
例として、第3話の内容に少し触れさせてください。
夢言は自分に声をかけてくれた日本の編集者と会う約束をしていたのですが、あろうことか寝坊をしてしまいます。
そこで夢言は、一緒に日本に来ていた知人に「夢言のフリをして出版社に行く」ことをお願いするんですよ。(結局ウソがバレます...)
夢言は「日本人は遅刻が嫌いらしいし、遅刻をするなんて問題外だ」と思っているからこのような行動に出たわけですが、日本人編集者は遅刻を責めるつもりなんて全くないんですよね。
そして、遅刻をされたことよりも”ウソをつかれたこと”が引っかかっている編集者が、「夢言との感覚の違いをしみじみと感じる」というような場面が描かれています。
日本では「遅刻に気が付いた時点で遅れる旨を連絡して謝罪する。ウソだけは駄目。」というのが常識とされていますが、夢言にこの感覚はなかったんですよ。
良し悪しでは片づけられない、圧倒的な「感覚の違い」が作品の節々で表現されています。
おわりに
今回は、漫画「日本の月はまるく見える」をご紹介しました。
本作は、2024年9月20日に第2巻の発売が決定しています!
気になる方は是非チェックしてみてくださいね!