こんにちは、メブコです。
今回は、priest先生の『黙読』の感想記事となります。
元々、日本語版の連載を追っていたのですが、日本語版の休載期間中に実写ドラマ版『光淵』の放送が始まったこともあり、待ちきれずに晋江文学城版に手を出してしまいました。
中華サスペンスBLはこれが初めてでしたが、衝撃的に面白かったです。
BL小説の面白さは、①ストーリー構成、②主人公たちの関係性に萌えられるかどうか
で決まると思っていますが、この2点において全くケチのつけようがないくらい素晴らしかったのですよ。
以下、感想文となります。
※黒幕の正体を名指しで明かすことはありませんが、最終的な勢力図やストーリー構成については触れていますので、ネタバレNGの方はご注意ください。
↓晋江文学城版(私はアプリ版で読みました)
https://www.jjwxc.net/onebook.php?novelid=2771073
↓日本語翻訳版
簡体字版の書籍もあり。
あらすじ
煌びやかな繁華街と未開発の旧市街が隣り合わせに共存する街・燕城市。
ある日、若い男の死体が発見される。
公安局刑事隊の隊長・駱聞舟(ルオ・ウェンジョウ)は早速捜査に乗り出すが、犯罪組織の存在や警察内部の思惑も絡み合い、単純と思われた事件は次第に複雑になっていく。
事件の真相をつかむため、駱聞舟は「犯罪」の才能があり、同じ男に思いを寄せる恋敵でもある費渡(フェイ・ドゥ)の力を借りることになり……。
ミステリーBL。
刑事攻め×御曹司受け
引用:Amazonより 『黙読』1巻 あらすじ
ネタバレ感想
冒頭でも述べましたが、最終的な勢力図やストーリー構成について触れていますので、未読の方はご注意ください。
↓以下、ネタバレあり
私はまぁまぁ色々なBL小説を読んできたと思うのですが、こんなに面白いサスペンスBLは初めてでした。
『黙読』は全5部からなっており、それぞれの部で新たに起こる事件を解決していく中で、過去に起きた不可解な事件が再び表舞台に現れたり、その背後にいる黒幕の正体が徐々に明らかになったり...という感じの超骨太サスペンス。
そんでもって、それぞれの事件を解決していく中で、恋敵としていがみ合っていた主人公が抱える思いも変化していき、次第に惹かれ合っていくというBLとしての旨味も忘れない構成。
全ての事件に「犯人」はいるんですけど、毎回犯人とは別に「何か違和感がある人」がいるんですよ。
でもその人物は事件の犯人というわけではないので、深く追及されることはなく個々の事件が終わると自然にフェードアウトしていくという...
それほど意識しないので当然次の章では忘れているんですけど、実はこの「何か違和感のある人」が最後に繋がって、過去に葬られてしまった事件と黒幕の正体に辿り着くという。
整理すると、『黙読』の勢力は大きく分けて3つでした。
(重要すぎるネタバレなので、念のため黒幕の人物名は伏せます。)
①主人公・駱聞舟&費渡の警察陣営
②指名手配犯を囲い込んで、己の利益のために殺人を犯す集団
③過去の事件を掘り起こし、②の所業を警察に暴かせようとする集団(朗読者)
②が悪い奴らなのは分かるとして、面白いのは③の存在ですよね。
この③の指導者がやっているのが「過去の理不尽な事件の被害者を集めて従わせる」ことなんですけど、実はこれと全く同じことを主人公・費渡もやっているんですよ。
『黙読』で起こることの全ては「何らかの傷を負った人間が狂ってしまった結果」だと思っているので、過去の出来事で傷を負った費渡と黒幕のとる手段が同じというのは、残酷だけど綺麗な構図だなぁと感心してしまいました。
↓すべてが明らかになった上で費渡がこの台詞を口にするので鳥肌が凄かったです。
怪物都清理干净了,我是最后一个,你可不可以把我关在你家?
(「怪物は綺麗に片付いた、私が最後の一人だから、私をあなたの家に閉じ込めてくれないか?」という意味だと思うんだけど、インチキな雰囲気翻訳なので参考程度に...)
そんな費渡が自らの中の怪物に抗っていることを駱聞舟も読者も知っているんだよ…
この台詞は、ラジドラ後半の主題歌『星港』の最後でも使われている名台詞ですよね。
ラジドラと言えば、前半の主題歌である『以沫』でも主人公たちのイチャイチャなやりとりが入ってるんですけど、私は原作読了前に聞いてしまったばかりに、
「なんか楽しそうやな!作品中盤の付き合いたての頃の会話やろな!」なんて思ってウキウキしながら読み進めていたのですが、まさかそれが番外編でのエピソードだったとは...
我心里有一簇迎着烈日而生的花,比一切美酒都要芬芳,滚烫的馨香淹没过稻草人的胸膛,草扎的精神,从此万寿无疆。
↑ここも凄く好きなので、日本語に翻訳されるのが楽しみです。
「何となくは伝わるが、これどうやって訳すん?!」の代表格…
あと、駱聞舟は温かくて眩しい、マジモンの太陽のような男でした。
あと、『黙読』読了済みの方でご存じだったら教えていただきたいのですが、
ラジドラ第5季予告の最後で、费渡,你有没有觉得非常恐惧的时候〜みたいな下りがあった気がするんですけど、これってラジドラオリジナルですか??
ラジドラの予告を見た際に、BGMとナレーションの入り方がドラマチックで印象に残ってたんですけど、原作で読んだ記憶がないもので...
私が読み飛ばしているだけだったら申し訳ないのですが、ご存じの方がいらっしゃったら教えていただきたいです...
7月29日(火)からは、いよいよ日本語版『黙読』第四部がスタートしますね!
第四部は、舟渡の関係性がさらに甘く深まる章なので、母国語で読むのが楽しみです。
ここまでお付き合いいただきありがとうございました。
また次の記事でお会いしましょう!

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